乳頭腺管がん
乳頭腺管がんは浸潤性がんの通常型にあたり、乳がん全体の約25%を占めています。乳頭腺管がんは、がん細胞が腺管を作ったり伝わりながら周囲に広がっていき、形状としてはキノコ状になっていきます。
横(表面)へ広がる力が強く、縦(背中側)への浸潤は弱いことが多いようです。そのため、リンパ節の転移を起こしにくいという特徴を持っています。また、乳頭管がんは正常細胞に近い状態のがんが多く見られるので、浸潤性がんの通常型のがんの中ではタチの良いがんになります。
タチの良い反面、ゆっくりと広範囲に広がる特徴も持つので、でき始めはしこりとして感じにくく、症状も乳腺が張った感じなど、普段の感覚とあまり変わらない場合も多いので、診断が簡単ではないがんです。
また、作った管の内部に死んだがん細胞が見られるタイプもありますが、このタイプは少しやっかいなタイプのがんになります。乳頭腺管がん全体としてはタチの良い、予後も良好なタイプのがんです。