妊娠について

ひと昔前は、乳がんの患者さんが妊娠をするとリスクが上がると考えられていました。妊娠中に起こるホルモンバランスの変化などが、乳がんに有理に働いたりするという理由からです。

たしかに、重度の乳がんの患者さんには、妊娠は厳しいでしょう。でも転移の心配のない方や、切除が成功した方などには妊娠を認める流れが出来てきています。

出産した患者さんの再発のリスクや、死亡のリスクは上がらなかったという科学的データも出てきているようです。これは、乳がんの患者さんに希望を持たせるデータだと思います。
研究やデータ解析がもっとすすめば、乳がんであっても妊娠できる方が増えると思います。

妊娠を希望する場合は主治医に必ず相談してください。ホルモン剤や、抗がん剤などを使用している場合は3カ月以上前に相談しましょう。ホルモン剤や抗がん剤が、卵子へ及ぼす影響を考えると、これぐらいの日数を必要とするようです。